金利が上がるなら、今買う ── 流山市江戸川台5,390万円と、ある夫婦の決断

千葉

「長期金利が3%目前」というニュースをスマートフォンで見た夜、夫の大輔は妻の麻衣に「そろそろ決めようか」と言った。

ずっと「もう少し待てば」と思っていた。でもその夜は、待つことの意味が見えなくなった。

変動か固定か、という問い

大輔は34歳、柏の会社に勤めるエンジニアだ。麻衣は32歳、育休中で来年から職場復帰する。子どもは2歳。今は流山市内の賃貸マンションに住んでいて、家賃は月12万円。買おうと決めたのは去年だったが、「金利のタイミングを見ながら」と言い続けて半年が過ぎた。

変動金利で組む予定だった。0.3〜0.5%台の変動金利は、固定と比べて圧倒的に低い。でもSNSで「長期金利3%目前」という話が広まり始めた頃から、じわじわと不安が積み上がっていた。変動金利は短期金利に連動するが、長期金利の上昇は将来の金利環境を示すシグナルでもある。「いつ上がるかわからないが、上がる方向に向かっている」という感覚が、日に日に強くなっていた。

麻衣が「フラット35にしようか」と言い出したのは、ちょうどその頃だった。フラット35は長期固定金利で、返済額が最後まで変わらない。変動より高いが、「変動が上がった時のことを考えると、固定で安心を買った方がいい」という判断に、二人は早い段階でたどり着いた。

長期優良住宅という選択

流山市江戸川台東4丁目。江戸川台駅から徒歩9分。土地165㎡、建物101㎡の4LDK、5,390万円。2026年10月完成予定の新築戸建てだ。

この物件を選んだ理由の一つが、長期優良住宅であること。住宅性能評価をダブル取得しており、フラット35Sの金利引き下げ対象になる。当初10年間、金利がさらに0.25%優遇される。固定金利で組む場合、この差は35年間の総返済額に大きく影響する。

頭金1,000万円を入れてフラット35Sで35年ローンを組むと、月々の返済は約16万円。今の家賃より4万円高い。でも大輔は「これ以上金利が上がれば、同じ物件を買っても月々の返済はもっと高くなる」と考えた。今の金利で固定してしまえば、将来の金利がどうなっても関係ない。

流山という場所について

流山市は子育て世代の移住先として知られる。保育所が徒歩7分、小学校が徒歩6分。麻衣が職場復帰する来年、子どもの預け先がすぐ近くにあることは、二人にとって単なる利便性ではなく、生活の安定そのものだった。

17帖のLDK、カースペース2台、全室収納付き。子どもが増えることも想定して、部屋数には余裕を持たせたかった。4LDKで5,000万円台という価格は、都心では実現しない。流山だから、この条件が揃う。

決断した理由

金利のニュースを見て決めた、と言うと、周りには「焦って買ったんじゃないか」と思われることがある。でも大輔は違うと思っている。

「焦りじゃなくて、判断だった。待つことのコストが見えた時点で、動く方が合理的だと思った」

麻衣は「ずっと悩んでいたのが、あのニュースで終わった感じがした」と言う。

5,390万円は、不確実な未来より確かな今を選んだ値段だと思っている。

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