車も、4部屋も、諦めなかった ── 川崎区小田5丁目4,980万円と、ある家族の条件整理
中島浩一が最初に出した条件は三つだった。車を置けること。子ども部屋が二つ取れること。5,000万円を超えないこと。
「どれか一つは諦めないといけないと思っていた」と浩一は言う。「でも諦めずに済んだ」
川崎区という選択
浩一は37歳、川崎市内の物流会社に勤めている。妻の由美は35歳、横浜の病院で薬剤師として働いている。子どもは5歳と2歳の二人。今は川崎区内の賃貸アパートで4人で暮らしている。
川崎区は、正直なところ「おしゃれな街」ではない。でも浩一は生まれも育ちもこのエリアで、職場も近く、両親も近くに住んでいる。子どもが生まれてから、「やっぱりここを離れる気にはなれない」という気持ちが強くなっていた。
由美も同意した。横浜への通勤は南武線で乗り換えなしで行けるし、このエリアの生活感が気に入っていた。「暮らしやすいんですよね、川崎区って。派手じゃないけど、不便じゃない」
4,980万円の中身を分解する
小田栄駅から徒歩7分、川崎区小田5丁目。土地66㎡・建物108㎡の3階建て、4LDK。1階にビルトインガレージがある。LDKは17帖、パントリー・ウォークインクローゼット・食洗機・浴室乾燥機。太陽光発電システム付きで、ZEH水準の省エネ仕様だ。
浩一はこの価格帯で「ガレージ付き4LDK」を探していたが、川崎区でそれを見つけるのは簡単ではなかった。ガレージを確保しようとすると部屋数が減り、部屋数を確保しようとすると価格が上がる。このバランスが取れた物件に、半年かけてやっと出会えた。
頭金1,000万円を入れて35年ローンを組むと、月々の返済は約13万円。今の家賃との差は小さく、「払い続けて何も残らない状態からやっと抜け出せる」と感じた。
ガレージのある暮らし
浩一が最も気に入っているのは、やはり1階のビルトインガレージだ。今の賃貸では月2万円の駐車場代を払っている。それがなくなるだけで年間24万円の差になる。
それだけではない。雨の日に濡れずに車に乗れる。子どもを抱えながら荷物を運ぶ動線が短くなる。日々のこまごまとしたストレスが、ガレージ一つで大きく変わる、と浩一は思っている。
2階のLDKは17帖。リビングイン階段があって、3階の子ども部屋に行くには必ずリビングを通る。「子どもが大きくなった時に、顔を合わせる設計になっているのがいい」と由美は言った。その言葉を聞いて、浩一はこの物件に決めようと思った。
川崎区で育てる
両親が近くにいる。職場が近い。子どもの頃から知っている商店街がある。由美には横浜への直通路線がある。
「全部そろっている場所で、家を持てた」と浩一は言う。
車も、4部屋も、予算も。何一つ諦めなかった。4,980万円は、その全部に対する答えだ。
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