「67歳で、もう一度家を買う」。リ・バース60を知った夫婦が吉見町の2,990万円の平屋へ住み替えるまで

リ・バース60を検討して新築平屋へ住み替えた60代夫婦のイラスト 埼玉

「この家で、あと何回この階段を上るんだろう」

六十七歳の柴田隆司がそう思ったのは、二階の雨戸を閉めに行く途中だった。膝に痛みを感じ、手すりにつかまって立ち止まった。埼玉県内の築三十八年の戸建て。妻の和子と二人で子どもを育て、住宅ローンも完済した家だ。

思い出は多い。しかし、二階の三部屋はほとんど使わず、庭の手入れや外壁の修繕が年々重くなっていた。六十五歳の和子も、冬場の浴室と廊下の温度差を気にしている。

子どもたちは独立し、家を継ぐ予定はない。それなら元気なうちに、階段のない小さな家へ移ろう。二人の考えは一致したが、問題は資金だった。

住宅ローンが終わった後に、また借りられるのか

自宅を売却しても、新築住宅の購入費と諸費用をすべて賄えるとは限らない。老後資金を大きく取り崩すことにも不安があった。一般的な住宅ローンを長期間返し続けるのも現実的ではない。

そんなとき、相談した金融機関で「リ・バース60」という選択肢を知った。

住宅金融支援機構と提携する金融機関が提供する、主に満六十歳以上を対象とした住宅ローンだ。住宅の購入や建設、リフォームなどに利用でき、毎月の支払いは原則として利息のみ。元金は契約者が亡くなったときに、相続人が一括返済するか、担保となった住宅と土地を売却して返済する。

月々の負担を抑えられる一方、元金が毎月減っていく仕組みではない。一般的な住宅ローンと同じ期間・金利で比べると、総返済額が多くなる可能性もある。金利タイプや手数料、利用条件は金融機関によって異なり、審査もある。

「借りられるか」だけでなく、「最後に家をどうするか」まで家族で決めるローンなのだと、隆司は理解した。

子どもに家を残すより、話し合いを残す

二人は、長男と長女を自宅へ呼んだ。担保物件の売却で債務を返すこと、ノンリコース型では売却代金が残債に届かなくても、原則として相続人が不足分を返済する必要がないこと。一方、家を残したい場合は、相続人が元金を返済する必要があることを説明した。

長男はしばらく黙った後、「僕たちは今の家を相続したいわけじゃない。二人が安全に暮らせる方がいい」と言った。長女は、売却の手続や遺品整理まで含め、家族で希望を書き残そうと提案した。

隆司は、家を残すことが親の責任だと思っていた。しかし、使う予定のない不動産を残すより、元気なうちに意思を共有することの方が、家族への大切な引き継ぎになるのかもしれない。

吉見町で出会った、ワンフロアの新しい家

二人が選んだのは、比企郡吉見町大字久保田の新築平屋だった。価格は2,990万円。土地面積は279.28平方メートル、建物面積は98.54平方メートル。基本は2LDKで、必要に応じて4LDKにも対応できる間取り。南道路に面し、並列で複数台を駐車できる。

掲載情報では、耐震・制震構造、設計住宅性能評価、長期優良住宅とされていた。玄関からリビング、寝室、浴室まで同じ階で完結する。浴室乾燥機や食器洗い乾燥機、ウォークインクローゼットもあり、日々の家事を小さくできる家だった。

内見の日、和子はリビングから寝室までゆっくり歩き、段差と扉の幅を確かめた。隆司は庭の広さより、洗面所までの距離を見た。若い頃の家選びでは気にしなかったことが、今は優先順位の上にある。

この物件が実際にリ・バース60の融資対象になるか、長期優良住宅として融資限度額の特例を受けられるかは、金融機関の審査や担保評価、適合確認によって決まる。二人は物件価格だけで計算せず、自宅の売却見込み額、自己資金、税金や登記費用、引っ越し後の生活費まで含めて資金計画を作った。

老後の家は、人生を小さくする場所ではない

引っ越した朝、隆司は雨戸を閉めるための階段がないことに気づいた。和子は対面キッチンで湯を沸かし、窓の外を見ながら「家が小さくなったのに、前より広く感じるね」と笑った。

二人は庭の一角に小さな菜園をつくり、余った部屋は子どもや孫が泊まりに来たときに使うことにした。何でも所有し続ける暮らしから、必要なものを手の届く範囲に置く暮らしへ。住み替えは、老後を縮めるためではなく、これからの時間を自分たちで使い直すための選択だった。

リ・バース60は、誰にでも最適な答えではない。金利上昇、総支払額、相続時の対応、自己資金の必要性を理解し、家族や金融機関と十分に話し合う必要がある。それでも「年齢を理由に住まいを諦めるしかない」と思っていた二人に、検討できる道を一つ増やしてくれた。

六十七歳で家を買う。それは遅い決断ではない。残りの人生を、どんな床の上で、誰と、どう歩いていくかを決めるタイミングだった。

制度の詳細は、住宅金融支援機構「リ・バース60」公式ページおよび取扱金融機関でご確認ください。

比企郡吉見町大字久保田の新築平屋

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※物件情報は掲載時点のものです。売約済みや価格変更の場合があります。最新情報はYahoo!不動産の物件ページでご確認ください。

※本記事はリ・バース60の一般的な仕組みを紹介するもので、特定の金融商品への申込みを勧めるものではありません。金利、融資限度額、利用条件、相続時の取扱いなどは金融機関や契約内容によって異なります。申込みには金融機関および住宅金融支援機構の審査があり、希望に沿えない場合があります。必ず取扱金融機関や専門家へご相談ください。

※本記事はフィクションです。登場人物・エピソードはすべて架空のものです。本記事はアフィリエイト広告を含みます。掲載画像はイメージであり、実際の物件とは異なる場合があります。